祭りのようだ

 午前10時過ぎたころになって、窓の外から聞こえてきた。
 こんな時間に鈴虫が?と思ったら、よく聞いてみると、それは笛の音で、今日は秋祭りのようだった。神輿を担ぐとういか最近は引きずるようだが、その調子に合わせて吹く笛の音だった。しかしわっしょいの声は殆ど聞こえない。

 なんというか赤子のような祭というか、秋祭りというのはこんなに静かでいいのか。

 わたしが子どもの頃も神輿を担ぐときに笛を吹いたが、もっとビーッビ―ッという耳に触る音で、小さい太鼓もたたいた。そして爆竹を鳴らしまくったものだった。神輿を担がない時間も、その日はずーっと爆竹を鳴らしつづけ、夜には耳がおかしくなるものだった。

 そして私の実家の辺りでは、神輿はやはり引きずり型になったが、爆竹は今でもけっこう鳴らしているようだ。家は祭りの基地となる広場が目の前。爆竹はうるさいが、あの音とあの火薬の匂いが、まさに秋祭りなのだ。

 秋祭りでは爆竹の他に、シュルシュル回るねずみ花火、真っ黒なウサギの糞のような煙幕、上に打ち上げるべきロケット花火、小さな飛行機の形のやつは点火すると飛び、それからパラシュートなどなどあった。ああ、懐かしい。
 普通の遊び方に飽きてくると、ねずみ花火を分解する。あの中にはけっこうたっぷりした火薬が入っている。そこに直接線香を点けるのだ。点けた途端に「ボンッ!!」と火が上がる。アブナイから点火直後に逃げなければならない。
 ロケット花火は公園の端と端に分かれた敵と味方で横方向に飛ばしあい戦争だ。
 パラシュートは呑気だが皆好きだった。開いて落ちてくるパラシュートを誰が取るか。祭のときは暗くなるまで遊ぶので、暗くなってからパラシューートを上げる者があったりして、翌朝、木にひっかかったピンクのしょぼくれたやつが見つかったりした。
 ふたたび懐かしい。

 爆竹のうるさい音は、ほんとうはそんなに好きではないのだが、今やってみたら、なんか血の中が若返るような気がする。

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isoginchaku

Author:isoginchaku
名古屋市緑区在住。たった一人の弁当屋。
只今休業中。

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