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名付け


 先日あるラジオ番組に柴崎友香という作家が出演していて、なかなか普通で感じが良かったので、作品を読んでみた。

 
 昨年芥川賞を受賞した『春の庭』

 30代半ばの離婚歴のある一人暮らしの男性・太郎が主人公。太郎が住むアパートとその隣に立つ家が舞台。


 物語はなんということもなく静かに流れていくが、つまらなくはない。


 最後に話し手が太郎の姉になるのだが、そこで姉弟の思い出話の中で話されていたことの、ある一つがもっとも私はひっかっかた。
 それは、犬の名前だ。
 姉弟が子どもの頃住んでいた団地に迷い犬(白地に茶色ブチ、耳が垂れている)が現れた。近所の子どもたちはその犬を”ピーター”と名付けた。
 ピーターねえ、と思った。

 私が子どもの時に、近所の公園に野良犬(薄茶色で痩せている)が現れた。近所の子どもたちはその犬を”ガリ”と名付けた。

 子どもの世界に迷い込んできた犬。名前として、「ガリ」の勝ちだと判定した。


 ガリは、ほんとうにガリガリだった。

 ピーターは数週間後にいなくなった。太郎の姉を含め何人かの子どもらは保健所に連れて行かれたと思っていたが、実は犬を飼える家の男の子が引き取って飼った。
 ガリもいつの間にかいなくなった。誰もガリがどこに行ったか知らなかった。保健所という言葉も私たちはまだ知らなかった。





 

 

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