京都の味 その壱

   にゆれる川原のススキが美しく、なぜかこちらも川原の斜面に枝を広げているまだ若そうな一本の桜が、今年見た中で一番透き通った鮮やかな紅葉を見せてくれた今日でした。 

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  さて、ワタシが京都に行ったのは、11月の1週目。行く前日にぐぐっと冷え込み、新幹線から見えた山のてっぺんには、白い雪がかぶっているのが見えたりした。「京都じゃモミジの紅葉がきれいかもよ~!」と、大いに期待して向かった母とワタシ。 

  「お客さん、紅葉なんてね、まだまだ!」
  京都駅で乗ったタクシー運転手のおじさんは、あっけなく言い放った。そしてそれはマッタクその通りで、通りに植わっている木々は、まだ青々している。京都旅の楽しみ①には早々と「X」が塗られた。

  「京都の人間は、ほんまいじわるですわ。新しいもんがよそから来ても、挨拶もようしませんですわ。赤い服なんか着て表歩いた日にゃあ、何言われるかわからしませ~ん。」
  ゆったりした口調ながらも隙間なく喋り続けるおじさんの話を、ほとんど黙って20分ほど聞いていると、目的地に着いた。

  「知恩院~念仏のふるさと~」

     知恩院

  実は、今回京都に行ったのは、昨年他界した祖母の納骨をするためだったのだ。
  その大目的の納骨の儀式は、流れ作業的に30分ほどで済んだ。(受付にはパソコンが3台もあって尼さんが担当していた。)
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  「せっかく京都まで行くんだから、いろいろ楽しんでこようじゃないか。」
  母はお寺や庭や紅葉、ワタシはよい調理道具が欲しいけど、なんといっても食べ物だ。
  
  時刻は11時を過ぎた頃。
  昼食をとるところは決めてある。事前準備の確実な母が、旅行ガイドで「こことさそう」と見当をつけた店だ。
  朝ご飯を軽く済ませてきたために、いい感じに腹ペコだ。

  いよいよ京都・味旅の始まり始まり ・・・・・  
                              ちらし寿司
 
  「台寺」 を見るというのも母の希望の一つであった。(高台寺と知恩院はとても近い)
  円山公園を抜けて高台寺のほうへ歩いていく。
  連休後紅葉前とあってか、観光客はやたらにいないが、それでも京都には人が来る。
  しばらく行くと細い路地を曲がった所に、この店はあった。

  花咲 萬冶郎

  ガイドブックで選んだというのでワタシはあんまり期待していなかったのと、すぐ隣の店で松の選定をしていたのに気をとられて、店の外観の写真を撮り忘れてしまった。
  こちらは京都3箇所に店を出す「京料理 花咲」グループの一つ。そしてこの「萬治郎」は、築百二十年の歴史ある建物で京会席を出す店なのだが、お昼にはちょっと珍しいものが食べられるのだ。
  それがこれ。

   麩麺点心

  麩麺点心 ・ ・ ・ ・ 1,800円

     滝沢馬琴

   店内に飾ってある滝沢馬琴の文章。
   「京にて味よきもの  麩 湯葉 芋 水菜 うどん

      麩麺

  これが「麩麺
  お麩で作られたうどんだ。太さは冷麦より太いくらいだが、プルプルと歯応えがあり、透明感もあって美味しかった。つけ汁は濃い目だがあまったるくなく、出汁もきいていてよかった。

      美味 胡麻豆腐

  この中に「湯葉」「水菜」が入っている。左上の胡麻和えだ。
  だけど、とにかく美味だったのは、写真下の「胡麻豆腐」 
  胡麻の好い香りが鼻に抜けて、胡麻の味も濃かった。箸で触ると弾力があるのに、舌の上でするると溶けていくようだった。日頃「永平寺の胡麻豆腐」を買っている母は「今まで食べた中で断然美味しい胡麻豆腐だ。」と言っていた。 ワタシもこれに賛成!確かこの近くに美味しい胡麻屋さんがあったはずだから、そこの胡麻を使っているかもしれない。               
  
     生麩と芋
  
  可愛らしい一口サイズの味噌田楽5人衆。真ん中が「お芋さん」。これで馬琴の「味よきもの」が出揃った。
  芋は新城の八名丸の方が美味しい。他の4つは種類の違う生麩なのだが、ここでワタシは失敗した。2つの生麩を最後の方までとっておいてしまったのだ。すると、あらあら。表面が乾いてやや突っ張ったようになり、よろしくない食感になってしまった。生麩にも乾燥は大敵!

    麩饅頭

    笹を開くと、「麩まんじゅう」

                               麩饅頭 中側

  ああ、麩まんじゅうなんていつ食べたことがあっただろう。全く記憶にないほど、ワタシにとっては見慣れない貴重な和菓子だ。
  皮のもちもちも美味しいが、あっさりすっきしした餡が、とても気に入った。粒が少し混じった漉し餡という感じ。私は断然粒餡派だが、麩まんじゅうにはこの位のが合うんだな。

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  「麩麺点心」運ばれてきた時、ちょっとボリューム少?と思ったけれど、ゆっくり味わったからかちゃんと満腹になっていた。(男性には物足りないと思うけれど。)

  店から出るとき、店員のお姉さんは、玄関から出てきてお見送りをしてくれました。

  
  京都・味旅はつづく・・・・ 

        萬治郎いす机
  
           椅子や机もよいものを使われています。 出された番茶もとてもおいしゅうございました。

  花咲 萬治郎

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isoginchaku

Author:isoginchaku
名古屋市緑区在住。たった一人の弁当屋。
只今休業中。

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