オオキナオセワ

 さしぶりに買い物に行ってレジに並ぶと、前にいたのは母、小学生であろう息子と娘の家族連れ。


 お盆は終わってもまだ夏休みなんだなあと思っていると、後ろを振り返った娘の顔が目に入った。


 「これは・・・」


 今では稀に見るといってよい、カワイイとは逆の作りだった。

 
 他人に向かってこの言葉を使うのは偉そうであり、失礼だとわかっていても思わず「かわいそう」と思ってしまった。

 詳しい描写は避けるが、アルビノ種の未熟ネズミと沼地にいる白魚をかけたようなふうだ。


 その娘がこちらに顔を向けるたびに、ついつい見入ってしまう。
 ヘタにちょっと可愛いなんていう顔よりもずっと引き付けられるものがある。


 その7才くらいの娘は、母親とも高学年のお兄ちゃんともとても仲が良さそうにしていた。
 (お兄ちゃんと妹は似ていると言ってもいいのだが、なぜか兄ちゃんは普通だった)

 それを見て「よかったな」とワタシは思う。

 そして、ネズミ白魚の顔で家族と仲良しというのと、すごいかわいらしい顔でも嫌な家族関係とどちらがよいかと考える。
 まったくオオキナオセワのひまじんだ。と自分にあきれつつ。

 答えはわかっているだろう。



 レジを終えて駐車場に向かうと、先程の兄妹が自動販売機の並ぶコーナーに母親を待っているふうでいた。

 バイクに荷物を収めながらチラっと見ると、妹が証明写真を写す機械の前で立ち止まっている。

 彼女はそこに縦長についていた鏡にぴたーっと顔を寄せて覗き込んでいるのだった。


 なにをかんがえているのだろう。


 自動販売機のジュースをふらふらと眺め続ける兄ちゃんよりも、鏡を見つめる妹の世界は深いだろうなあと思いながら、その場をあとにした。


 

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isoginchaku

Author:isoginchaku
名古屋市緑区在住。たった一人の弁当屋。
只今休業中。

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