温泉恋しや

  う寒いと、家風呂もいいが、やっぱり温泉が恋しくなったりする。

  寒い時期に入る温泉、雪見風呂なんてのもまた、格別だ。

  ぴいんと冷たい空気に触れる顔に、湯に浸かった身体は芯まで温かく・・・・・

  

  「温泉好きだ」と言っても、それほどの数を巡ってはいないワタシ。

  数少ない「冬の温泉」体験で、1番に思い出すのは、

  『神の湯』 ~長野県~

  確か「新平湯温泉」だと思うが、ここは温泉街からちょっと離れた山の中に、ぽつんとある。

  雪はまだ降っていなかったから、行ったのは多分11月。

  けれども、けれども曇り空の午後3時近く、長野山中の空気は、しっかり冷えていた。



  『神の湯』は、露天だけのお風呂で、女湯と男湯が上下にわかれてある。

  まさに「山の中のお風呂」という感じで、そぐそばの山肌では工事が行われており、そこから覗こうと思えば覗けそうであった。

  しかし、そんなことはちっとも気にならない位に、いいお湯だったのは確かだ。

  無色透明な単純泉だったと思う。

  空気が冷えているからか、それほど高温ではなくて、お湯はだくだくとあふれ、気持ちよかった。

  入浴客が、ワタシ一人というのも、また一層いい気分にさせた。


  この時、暇にしていたA男と来ていたのだが、お風呂には時計がなかったので、出たくなったら「おーい!」と声をかけることにして入ったのだ。

  しかしこれはうまくいかなかった。

  湯が溢れる音にかき消されて、男湯から女湯への声はまったく聞こえなかったのだ。

  「結構長く入ってるなあ。」

  と思いながら、ワタシは小1時間ほどして出た。

  すっかり気持ちよくなって下へ降りていくと、人影のない売店の前に、A男が細くなって立っていた。

  「わあ、いつ出ていたのだ。ごめんなさいー。」

  と言って駆けていくと、振り返ったA男の青白い顔。

  「鼻の穴がちっちゃくなっちゃってる!!」

  
  「寒い地方の動物は、体温を下げないために小さい耳をしている。」


  小学校の国語で習った『動物のからだ』の文章を思い出した。


        


  

  

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isoginchaku

Author:isoginchaku
名古屋市緑区在住。たった一人の弁当屋。
只今休業中。

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